「エディット・ピアフ〜愛の賛歌〜」

カテゴリー: 映画

世界の歌姫、エディット・ピアフ。
1915年、パリ生まれの彼女は独特の声と、現実派で民衆を惹き付ける歌、そしてその小さな体からあふれる抜群の歌唱力で、絶大な人気を誇った。
愛することをやめなかった伝説の歌手の短い47年の生涯を、ドラマチックに描いた映画。
ピアフ


たんに実在の有名人の伝記物に収まっていないこの作品。
その核は、なんといってもエディット・ピアフ本人の歌声と、主演のマリオン・コティヤールである。
マリオンは歌もいけるらしいが、ピアフの歌声はさすがに吹き替えで再現された。
しかし、実際に歌っているようにしかみえないのは、ピアフの細いシルエットだけでなく、特徴的な話し声、あけっぴろげで時に粗野、しかしどこか自信のなさと孤独がつきまとう所作までも再現してみせた、マリオンの役者魂に拠るところが大きい。
また、身長169cmと長身のマリオンが小柄なピアフを演じるため、ガリガリにやせたり、背の高い共演者を配するなど、みえない努力が行われている。

劇的な生涯を送ったピアフ。その人生をほんとうに具間みたかのような気分になる映画だった。
わたしはもちろん名前と歌を耳にしたことはあったが、ちゃんと音源に聞き入ったこともなかったし、彼女がどんな人物かも知らない。
しかしマリオンは映画の中で見事にピアフ自身を演じきったと信用させられる、圧倒的な演技をみせてくれた。
ピアフ=雀 と知り、その独特の歌声と、歌に命を捧げた生き様もあいまって、日本の歌姫・美空ひばりさんを思い出した。

マリオンのあまりの素晴らしさに購入したパンフレットを観て、「TAXi」1〜3までのヒロイン役だと知って度肝を抜かれた。
20〜47歳のピアフをひとりで見事に演じきった彼女。
20歳の頃はわかわかしく、本当にキュートで、年を取ったピアフと同一人物が演じてるとは思えないほど。
そして長年の薬物中毒やアルコールの過剰摂取がたたり、衰弱したピアフ。
最愛の恋人、マルセルを喪うシーン!
本当にマリオンかと、彼女の普段の写真をみると目を疑う。
それほど、ピアフの魂が乗り移ったかのようだった。
マリオン


大竹しのぶのような性質の女優だと思ったが、マリオンは目がくりくりと大きい実に可憐な女性で、美貌だけでもハリウッドで十分活躍できるだろう。32歳という年齢に見えないほど若くもみえる。
正直、TAXIで観たときに、これほどの実力がある演技派とは思わなかったので、たいへん驚かされた。
また、同時に監督のキャスティングに拍手喝采である。

エディット・ピアフの熱狂的ファン。
また、まったくピアフをしらなくとも、ミュージカルなど音楽映画がすきなひと。
には絶対に観てほしい作品だ。

奔放で、ときに傲慢。
けれど、華奢で精神的にも脆い面があり、それでも歌うことをやめない儚さに惹かれてやまない。
悲劇的な場面も多くあるが、それでも彼女は不幸ではなかったのだと感じさせる力強さも持ち合わせている。
不世出の歌手であったことを除いても、とても魅力的な女性であるピアフ。
そしてマリオンのすばらしさを是非、味わってほしい!
前ページ | | 次ページ











管理者にだけ表示を許可する
http://retroica.blog68.fc2.com/tb.php/305-f4875907